むち打ち症と後遺障害

追突による交通事故で被害者になると、むち打ち症になる場合があります。むち打ちとは、交通事故で追突事故に遭遇した場合に、頭だけを残して体が前方に押し出され、首が鞭のようにしなってしまった状態になることを言います。症状は、首自体や首から肩にかけての痛み、頭痛・めまい・吐き気などです。一般的にむちうちや、むち打ち症と言われますが、医学的にむちうち症と言う病名はなく、正しくは外傷性頚部症候群と言います。外傷性頚部症候群は大きく4つの型に分類する事ができます。

むち打ちむち打ち損傷の診断は、問診や触診、レントゲンなどの検査で診断されます。むち打ち症は後遺障害を残す可能性の高い傷害です。むち打ちと診断れた場合は、後の後遺症にそなえて、反射検査、知覚テストなどによる神経学的検査、レントゲン検査やCT、MRIなどによる画像診断などで、できる限り早い時期に総合的な検査を受けておくべきでしょう。

むち打ち症は、外傷の中で最も交通事故の後遺障害の対象になる傷害です。しかし骨折等の物理的損傷を伴わない場合は、症状の自己申告となり、保険会社に疑念を抱かれやすい症状ともいえます。一般的に、むち打ちは数か月もあれば十分完治するといわれており、治療費の打ち切りもあります。よって、治療の際は症状を一貫させて、医師に症状を真摯に伝え、医師との信頼関係を築く必要があります。


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交通事故による脳機能障害

交通事故によって脳に何らかの障害が残った場合の症例に、遂行機能障害があります。遂行機能障害とは、論理的に考えて計画し、問題を解決し、推察し、そして、行動するといったことができなくなります。また、自分の行動を評価したり、分析したりすることができない状態をいいます。具体的な症状は、自分で計画を立てられない、指示してもらわないと何もできない、物事の優先順位をつけられない、いきあたりばったりの行動をする、仕事が決まったとおりに完成しない、仕事が効率良くできない、間違い繰り返すなどです。

社会的行動障害次に、社会的行動障害があります。社会的行動障害とは、行動や感情を場面や状況にあわせて適切にコントロールすることができなくなった状態をいいます。具体的な症状は、すぐ怒ったり、笑ったり、感情のコントロールができない、無制限に食べたり、お金を使ったり、欲求が抑えられない、場違いな行動や発言をしてしまう、態度や行動が子供っぽくなる、すぐ親や周囲の人に頼る、じっとしていられないなどです。

さらに、自己認識の低下があります。具体的な症状として、自分が障害者であるということを正しく認識できない、上手くいかないのは相手のせいで自分自身の障害の存在を否定する、困っていることはないと言う、必要なリハビリや治療などを拒否するなどがあります。


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交通事故による高次脳機能障害

交通事故で高次脳機能障害と認定される場合、対人関係に問題起き、日常生活に支障が出たりします。症例として、記憶障害があります。記憶障害とは、事故や病気の前に経験したことが思い出せなくなり、新しい経験や情報を覚えられなくなった状態です。記憶喪失と言うとわかりやすいです。

高次脳機能障害例えば、今日の日付がわからなくなってしまったり、自分の居場所がわからなくなってしまったりします。また、物の置き場所を忘れたり、新しい出来事が覚えられなくなったりします。何度も同じことを繰り返し質問したりします。一日の予定を覚えられなくなったりします。自分のしたことを忘れてしまったりします。作業中に声をかけられると、何をしていたか忘れてしまったりします。人の名前や作業の手順が覚えられなくなったりします。

記憶障害とは別に注意障害があります。注意障害とは、周囲の刺激に対して必要なものに意識を向けたり、重要なものに意識を集中させたりすることができなくなった状態いいます。症例として、気が散りやすい、ひとつのことに長時間集中できない、ぼんやりしていて何かするとミスばかりする、一度に二つ以上のことをしようとすると混乱する、周囲の状況を判断せずに行動を起こそうとする、言われていることに興味を示さない、片側にあるものだけを見落とすなどです。


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交通事故被害の後遺障害

交通事故で怪我をして一定期間治療しても完治しない場合のことを後遺症といいます。交通事故では保険会社が保険金を支払うため、すべての後遺症に保険金が支払われるわけではありません。保険金が支払われるのは後遺障害と認定された場合に限られます

後遺障害等級認定交通事故の後、一定期間治療を行っても症状の回復が見られず、これ以上治療してもよくならない場合は症状固定となります。この症状固定後に自賠責調査事務所に対して後遺障害等級の認定申請をします。そして、自賠責調査事務所に後遺障害等級認定されると、後遺障害が残ったと認定されます

後遺障害等級は1級から14級に分かれています。また、1級と2級については要介護かそうでないかでさらに分かれています。1つの等級でも症状によって複数の項目に分かれており、そのいずれかに該当することで等級が決まります。

後遺障害等級認定の申請は、事前認定と被害者請求の2種類の方法があります。加害者側保険会社に代行してもらうのが事前認定で、被害者自らが申請するのが被害者請求です。事前認定は、保険会社がすべての手続きをやってくれるので便利ですが、加害者側の保険会社が手続きをするので、被害者側が有利に行われたのか疑念が残ります。一方、被害者請求は、自らが主張する証拠文書をすべて準備してから申請するため過不足の無い申請ができます。ただし、専門的な手続きであるため、後遺障害等級認定の覚えのある弁護士や医療コーディネーターのサポートが必須となります。


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